鉄フライパンの「シーズニング」と焦げ落とし
鍋・フライパンのメンテナンス|素材別のお手入れ術
鍋とフライパンのメンテナンスは、素材を見分けることが出発点です。鉄は油膜を育て、フッ素樹脂加工はコーティングを守り、ステンレスは変色と焦げに対処する、と対応がまったく異なります。
鉄フライパンのシーズニングと焦げ落とし
鉄フライパンは購入時や焦げ付きが発生したときに、油を熱してなじませるシーズニングを行い、酸化被膜(油膜)を作る必要があります。この油膜がサビ防止と焦げ付き防止の二役を担っています。
- 洗剤でコーティング剤や汚れを洗い落とす(新品時のみ洗剤を使う)
- 水気を飛ばすため中火で加熱し、完全に乾かす
- 薄く油を全体に塗り、煙が軽く出るまで加熱する
- 火を止めて冷まし、余分な油をキッチンペーパーで拭き取る
- 3〜4の工程を2〜3回繰り返すと油膜が安定する
鉄フライパンの日常的な洗浄に台所用中性洗剤を使うのはNGです。洗剤の界面活性剤が、サビ防止と焦げ付き防止の役割を果たす油膜まで洗い流してしまいます。
フッ素樹脂加工(テフロン)はコーティングを守る
フッ素樹脂加工は急激な温度変化に弱く、調理直後の熱い状態で冷水をかけるとコーティングが剥がれやすくなります。調理後は火から下ろして自然に冷ましてから、やわらかいスポンジと中性洗剤で洗うのが正解です。
長持ちさせるためのポイントは以下のとおりです。
- 中火以下で使う。強火の空焚きはコーティングの劣化を一気に進める
- 金属ヘラ・金属トングを避け、木製やシリコン製を使う
- 洗うときに金属たわし、研磨剤入りクレンザー、メラミンスポンジを使わない
- 重ねて収納しない。重ねる場合は布や仕切りを挟む
- 食材が張り付くようになったら、油を足して誤魔化さず買い替えを検討する
ステンレス鍋の変色と焦げへの対処
ステンレス鍋に出る虹色の変色は、水道水のミネラルや加熱による酸化膜によるものです。性能に影響はほとんどありませんが、気になる場合はクエン酸水を薄めて拭き取ると改善します。白い粉状の付着もミネラル分なので、同じく酸性で対応します。
焦げ付きは重曹が有効です。水を張って重曹を大さじ1〜2加え、10分ほど煮立てて冷ましてから、やわらかいスポンジでこすると浮きます。空焚きによる青黒い焼け色や底面の歪みは、熱のかかり方が変わるため早めに使用環境を見直すサインです。
その他の素材の扱い方
| 素材 | 洗剤 | 金属たわし | 食洗機 | 空焚き | 急冷 | 定期メンテナンス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 鉄 | 新品時のみ | 可 | 不可 | 短時間の乾燥のみ | 不可 | シーズニング |
| フッ素樹脂加工 | 中性洗剤のみ | 不可 | 機種により不可 | 不可 | 不可 | コーティング状態の確認 |
| ステンレス | 可 | 控える | 概ね可 | 不可 | 避ける | 変色・焦げ落とし |
| アルミ(無垢) | 中性洗剤 | 不可 | 不可(黒変) | 不可 | 不可 | 重曹は使わない |
| ホーロー | 中性洗剤 | 不可 | 製品により可 | 不可 | 不可 | 欠け・ひびの確認 |
| 銅 | 中性洗剤 | 不可 | 不可 | 不可 | 不可 | 専用クリーナーで磨く |
| 土鍋 | 洗剤は控える | 不可 | 不可 | 不可 | 不可 | 目止め、完全乾燥 |